おはなしサロン事業
入会歴1年 Sさん(80代)
墨田区シルバー人材センター
「正しい声の出し方」で朗読の技能を習得し、その成果の披露を目指す事業。オリジナルのテキストを使用した発声や呼吸法の練習で、口周りの筋力や腹筋をつけ、健康維持につなげる。講習は全5回で構成されており、最終回には朗読の個人発表を行う。
墨田区シルバー人材センターで「おはなしサロン」事業に携わるSさん。自主事業を始めたきっかけや、今後の展望について伺いました。
シルバー人材センターに、「自主事業」という取り組みがあることを知ったのがきっかけです。私はこれまで俳優として、舞台や映像の世界で活動してきました。そういった経験を基に、並行して25年以上行ってきたのが、朗読を通じた発声や呼吸法の講座です。
今回、その経験をセンターで活かせるのではないかと思い、やってみようと入会を決意しました。
不安よりも戸惑いがありました。自主事業は会員が自分たちで企画・運営するため、全てゼロから作らなくてはいけません。これまで他の活動では、運営スタッフが準備を全て行ってくれるため、私は出演に専念できました。しかし、今回の事業ではそうはいきません。未経験のことばかりで、最初は進め方もわからない状態だったと思います。そこをサポートしてくださったのが、センターの職員の方です。次に考えるべきことを示してくださるなど、とても手厚いサポートをいただきました。
楽しく取り組むことと、無理をしないことです。準備の際も運営メンバーによる朗読発表を行ったのですが、その練習も、その日の気分や体調によって1〜2時間程度に留めるようにしました。この事業はお金を稼ぐためのものではありません。ですから、私たち運営側がまずは楽しんで、その喜びが参加者のみなさんに伝わればいいなと思っています。何ごとも心地よく取り組めなければ長く続かないと思いますので、自由な雰囲気の中で、伸び伸びと活動できることを大切にしています。
この「おはなしサロン」の輪がどんどん広がっていくことを願っています。私たちの世代は、SNSを使いこなすのは難しいですが、人から人に伝える力は強いはずです。「あそこに行くと楽しいよ」という評判が広まるように、みんなで力を合わせて運営をしていきたいと思います。これまでには、朗読練習を続けたことでカラオケが上達したという話も聞いたことがあります。年齢を問わず、自信は人の表情や心を明るく輝かせてくれます。この事業が、そのような笑顔あふれるきっかけとなれば幸いです。
仕事をリタイアされ、これからの日々をより充実させたいとお考えの方は、ぜひ当サロンに来てください。年齢を重ねると、口周りの筋力が衰えてきます。これにより嚥下機能が低下し、誤嚥を起こしやすくなることで、肺炎などのリスクも高まります。好きなものを食べて、好きなように生きるために、人と交流して笑顔になりましょう。
シルバー人材センターには、その助けとなる取り組みがたくさんあります。人生を楽しむためのきっかけを掴むのに、年齢は関係ありません。まずは気軽な気持ちで私たちの活動を見に来てください。
今回の取り組みで「シルバー人材センターは自分の経験を活かして事業を起こせる場所である」ということを、知っていただければと考えています。自ら考えた活動が新たな就業機会となり、感謝されながら対価も得られる。それが自主事業の魅力です。「おはなしサロン」を運営するみなさんも、会議を重ねるごとに成長されていて、とても頼もしく感じました。今後は朗読や読み聞かせを通して、子育て世代などとの、多世代交流の場となっていくことも期待しています。
当センターでは、高齢者の方が社会で活躍し、生き生きと生活できる仕組みづくりを進めています。
例えば、AIを活用することで、デジタル社会によりスムーズに対応できるような取り組みも進められています。会員のみなさんが笑顔になれる場を目指していますので、今後もご期待ください。