多目的サロン事業
入会歴12年 Mさん(70代)
国立市シルバー人材センター
既存施設を有効活用し、会員や地域住民の交流の場をつくることを目的として立ち上げられたサロン事業。サロンの愛称である「シルバー襖はうす」は、事業場所がもともと襖張り替えの作業所であることが由来。毎週土曜と第2日曜のサロン開設日には、襖・障子の張り替え相談、パソコン・スマホ相談、包丁研ぎ、洋服のお直しなども同時に開催し、気軽に立ち寄れる地域の拠点を目指す。
国立市シルバー人材センターの「多目的サロン」事業の中で、洋服のお直しを中心に活動しているMさん。入会のきっかけや、自主事業を行うにあたって心がけていることについて伺いました。

体が動くうちに、何か自分にできることをしたいと思ったのが入会のきっかけです。国立市には江戸時代中期から末期にかけて建てられた古民家があり、その施設管理の仕事に興味を持ちました。古民家の管理は基本的に一人で行うのですが、寂しさを感じることはありませんでした。その場所の雰囲気がとても好きで、見学者の方を案内したり、庭の掃除をしたりと、充実した時間を過ごしていました。就業場所へ向かう途中には田んぼや雑木林の風景が広がり、その景色も楽しみの一つでした。自宅から徒歩20分ほどの距離でしたが、まったく苦には感じませんでした。
5年ほど前から「布布布(ふふふ)の会」という洋服のお直しの活動を続けています。今回、「多目的サロン」の取り組みの中で、洋服のお直しを中心とした活動を行うことになりました。このサロンは、地域の方にシルバー人材センターの活動を知っていただくとともに、さまざまな就業内容を紹介していく場でもあると伺い、その趣旨に共感して参加することにしました。洋服のお直しの需要は多く、こうした場所があることで、地域の方にも気軽に相談していただけるのではないかと感じています。少し分かりにくい場所なので、ご依頼をいただけるか心配していましたが、初日から裾上げのご相談をいただき、ほっとしています。

ご依頼くださる方にとって洋服は大切なものです。そのため、お預かりした以上は責任をもって丁寧に扱うことを心がけています。とはいえ、私の技術はあくまで主婦として身につけてきたものです。専門のお店のようにはいかないかもしれません。それでも、お直しの担当としてサロンに来ている以上、その責任をきちんと果たしたいと思っています。その思いが伝わったのか、最初は不安そうにされていた依頼主の方が、お直しをお渡しした後、別の洋服を持って再び来てくださいました。プロのようにはいかなくても、引き受けた仕事には一生懸命向き合い、きちんと仕上げる覚悟で取り組んでいます。
入会から10年以上が経ち、委員会の役職を任されるようになるなど、正直なところ、とても忙しくなりました。センターを支えるためには、そうした役割も大切だと考え、少しでも貢献できればと取り組んでいます。それ以外では、趣味のミニテニスも楽しんでおり、就業と趣味のバランスがとれた充実した毎日を過ごしています。また、この活動を通して、改めて自分は洋裁が好きなのだと感じることができました。好きなことで報酬をいただけるのも、嬉しいことです。
目標というほどでもないですが、健康を維持し、就業を続けていければいいなと思っています。私は20歳の頃に洋裁を勉強して以来、その経験を眠らせたまま過ごしてきました。再び洋裁に触れたのは、それから50年後、センターに入会してからです。こうして昔の経験が役立つ日が来るなんて思いもしませんでした。過去の経験や技術は、年齢を重ねても活かせるものがきっとあります。「私なんて」と思わず、ぜひ飛び込んでみてください。
既存の襖張り替え作業所を、有効活用しようと立ち上がったのが当事業です。会員だけでなく地域の方が気軽に利用できる場所にするため、サロン形式にしました。洋服のお直し、包丁研ぎ、パソコンやスマホの相談会をサロンで開催することで、当事業やセンターを知っていただくきっかけになればと考えています。実際に、サロン開始後1カ月が経ち、複数のお仕事の依頼があり、事業の効果を感じられました。これを機に、新たな就業機会が広がっていくことを期待しています。
当センターの特徴は、地域と顔の見える関係性を築けることです。例えば、一般家庭からの定期的な植木剪定のご依頼も多く、利用者と信頼関係を構築しながら就業できます。就業以外にもボランティア活動や市民祭りへの参加といったイベントも複数ありますので、地域とのつながりに興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。