スマートフォン教室事業
入会歴12年 Kさん(70代)
葛飾区シルバー人材センター
スマートフォンを敬遠する高齢者の方々に寄り添い教える教室。参加定員12名に対し、講師6名が個別にフォローする。教室は1回完結型で、特定のアプリの使い方や、便利な機能の紹介などさまざま。一方向の講義型ではなく、実際に操作しながら「自分でできる」までを支援するのが特徴。
葛飾区シルバー人材センターで「スマートフォン教室」事業に携わるKさん。自主事業を始めたきっかけや、今後の展望について伺いました。
地域に貢献できることをしたいと思ったのが入会のきっかけです。定年退職後、ずっと夢見ていたヨーロッパ旅行に3ヶ月行き、国内でも車中泊しながら車であちこち1人で旅行をしました。そうしてやりたいことを約1年間満喫し終えたとき、このまま遊んでばかりいるよりも、誰かの役に立つことをしたいなと思うようになったのです。ただ全くのボランティアではなく、少しでも報酬があるほうが自分の励みになると思い、センターに入会しました。
きっかけは職員の方からのお声がけです。スマートフォン操作に苦労する同世代が多いと感じていたこともあり、やってみようと思いました。運営メンバーは私を入れて6人。みなさん経験豊かなエキスパートばかりです。初回はスマートフォンの基本操作や便利なアプリの使い方などを網羅的に扱いました。10人以上を前に講義する経験は初めてで、どうなることかと不安もありましたが、運営メンバーのフォローのおかげで何とか無事に終えることができました。

代表者はあえて置かず、調整役も当番制とし、全員で協力しながら運営する体制をとっています。自主的に記録係を引き受けてくれる方がいるなど、それぞれができる範囲で役割を分担する姿勢を大切にしています。
一人ひとりに得意・不得意はありますが、互いに学べることも多くあります。そのため、同じ責任を担う立場として支え合いながら、前向きに運営していこうと話し合っています。初回は私が講師を務めましたが、みんなから「よくまとめたね!」と褒めてもらいました。今後は講師も順番に代わるので、メンバーそれぞれの個性がある教室になると思います。
この事業にとどまらず、さまざまな活動に取り組むなかで、好奇心がますます高まっています。あまりに活動の幅が広がってきたため、「無理をして中途半端にならないように」と妻に心配されるほどです。その点、センターには仲間がいて、サポートもしてもらえるので、私1人にかかる負荷は大きくありません。何より、自分の好きなことで誰かに喜ばれるというのは嬉しいことです。これからも「おもしろそう」と思うものに、楽しみながら挑戦したいと思います。
今後の目標は、スマートフォンの操作に不安を感じている方に寄り添いながら、丁寧な支援を続けていくことです。数あるスマホ講座の中でも、実際に使いこなせるようになるまで継続してフォローする取り組みは、決して多くはないのではないでしょうか。私たちはそうしたニーズに応え、一人ひとりのレベルに合わせた実践的なサポートを大切にしたいと考えています。また、内容に見合った対価をいただける事業として、継続していくことも目標です。そのために講師としての実力も磨き続けたいと思います。
この事業は、新たな就業機会の創出を目的として立ち上がりました。運営メンバーは自主事業をきっかけに知り合った方がほとんどです。最初はコミュニケーションも少なく、どうなることかと心配でしたが、開催日が近づくにつれて、一気に団結していきました。立ち上げ後の成果はすぐに現れ、教室開催のチラシを見た事業者さまから、講師派遣のご依頼をいただくことができました。今後も、このような就業機会がさらに広がっていくことを期待しています。
当センターの会員は、温かくまじめな方が多いのが特徴です。就業内容は、除草などの屋外作業にとどまらず、公共施設の管理業務など幅広くご用意していますので、運動不足の解消を兼ねて、無理のない範囲で、お仕事を始めてみてはいかがでしょうか。